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リスニングは重要になったのか? ~大学入試セミナー補足情報①~

 こんにちは、個別進学塾教匠の吉野です。

 11/8(日)に開催しました「大学入試セミナー」では、英語でリスニングが重要になっているとの情報が拡散されているが、実際には、それほど今までと変化していないという話をさせていただきました。

 この記事では、英語リスニングについて、さらに詳しい情報をお伝えしたいと思います。

 英語でリスニングが重要になっている、との情報を発信している方の、情報の根拠はおおむね、今年度から実施される「共通テスト」の「英語」で「リーディング」が100点、「リスニング」が100点、という配点になるという事実です。従来の「大学入試センター試験」の「英語」では、「筆記」が200点、「リスニング」が50点、という配点でしたから、これらの情報だけを見てしまうと、リスニングが重要になっていると勘違いを起こしてしまいます。

 しかし、「リーディング」が100点、「リスニング」が100点、という配点を、各大学がそのまま使うわけではありません。大学ごとに点数の比率を変えて、合否の判定を行います。そして、各大学どのような比率に換算しているかというと…
 
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 もっとも多いのは、「リーディング」80%、「リスニング」20%、という比率です。この比率は、「大学入試センター試験」の時の比率と全く同じ比率であり、実際には、リスニングの割合が高まっていないということになります。

 また、受験者数の多い、京都大学、大阪大学、大阪市立大学での比率は、「リーディング」75%、「リスニング」25%。若干「リスニング」の割合が増えているように思えますが、これまで「センター試験」で14点分(全体の約7%の配点)出題されていた「発音・アクセント問題」が「共通テスト」で出題されなくなることを考えれば、その調整分とみなすこともできます。

 ただ中には、大阪教育大学、兵庫教育大学、和歌山大学のように、「リーディング」50%、「リスニング」50%、という、「共通テスト」の配点をそのまま利用する大学もあり、注意が必要です。また、上記の配点は、2021年度入試での配点であり、翌年度以降の入試については、今後注視しなくてはなりません。

 ここまではすべて「共通テスト」での話です。私学の入試はどうなっているのでしょうか?関西圏の主要私立大学である「関関同立」一般選抜の各大学独自試験では、従来通り、リスニングの試験は行われません。共通テスト利用方式、共通テスト併用方式、立命館大学のIR方式など定員の少ない独自の方式を用いない限りは、関関同立入試においてリスニングの配点はゼロなのです

 つまり、リスニングが重要になっている、という情報はウソとはいえないまでも、現時点では、受験生が気にしなければならないレベルの情報ではないということです。入試情報でよくある「変わる変わる詐欺」です。(予備校・学習塾は、「変わる、変わる」と言って、不安をあおればあおるほど、顧客を獲得できてしまいます。)

 今回のセミナーでは「今までリスニングが非常に重要になると勘違いしていた」という感想を多く頂戴しました。文部科学省は十分に適切な情報を受験生に提供できていないということです。入試改革3本柱の頓挫で、受験生を混乱させ、その上、今年度実施の入試についても十分な情報提供ができていない、あまりに杜撰な実態です。

 一部企業への利益誘導のために、「グローバル化」や「主体的な学び」などの美辞麗句のもとで、「アクティブラーニング」やら「学びの3要素」やら「英語4技能」やら新しい造語をうみだして、学習内容や入試制度を改悪させるのではなく、単純に、高校生が安心して学びに専念できる環境の整備を進めていただきたいと願うばかりです。

 ※ ちなみに、大学側はここのところ文部科学省に対して「面従腹背」の姿勢をとっているように感じています。「また、あほなことゆーとるわ、いちよー、みえるとこだけ、ちょろっとかえとこかぁ。グローバルなんちゃら方式みたいなもん、こしらえて、まぁ、定員10人くらいつけとこ。どうせあの人らかて、ほんまにそうおもてやっとるわけちゃうしなぁ。仕事ふやさんといてぇや。」といった感じで。

 Yoshino

by kyosyo-hyogo | 2020-11-18 10:00 | 大学受験情報